「看護系大学タスクフォース」を紹介します
新潟県内には、新潟大学医学部保健学科・新潟県立看護大学看護学部看護学科・新潟医療福祉大学看護学部看護学科・新潟青陵大学看護学部看護学科・長岡崇徳大学看護学部看護学科・新潟薬科大学看護学部看護学科・北里大学健康科学部看護学科の7つの看護系大学があります。
この7大学が中心となって、「新潟県内の中高生に看護の魅力を知ってもらい、県内の看護系の学校に進学してもらうことと、新潟県で働く看護職を育て増やすこと」を目標にして、さまざまな情報発信やイベントを行っています。
NSN通信 (News Letter)
看護系大学タスクフォースの7大学が、それぞれNewsLetterを制作しています。
※画像をクリックすると、PDFファイルでご覧いただけます。
ナースになるには -中高生向け-
ナースになるには、そのための専門の勉強をしなくてはいけません。ここでは「どんな学校に行ったら良いの?」「勉強や仕事は大変なの?」など、中高生のみなさんがよく疑問に思うことについてお知らせします。
ナースを目指すための気になる進路のあれこれ
看護師として働くためには、「看護師国家試験」に合格して看護師免許を取得しなければなりません。「看護師国家試験の受験資格」は、看護系の専門学校・短大・大学で所定のカリキュラムを修めることでとることができます。さらに、県内の大学では「保健師国家試験受験資格」もとることができます。
大学と専門学校の違い
大学は、看護の専門科目のほかに心理学・社会学・教育学・語学など一般教養の単位を沢山学びます。大学によって受講できる科目はちがいますが、人間に対する理解・知識を深めることができるように幅広い分野を学び、いろいろな場面で活用することができるでしょう。机に向かって勉強する科目だけではなく、「スポーツ」や「ボランティア論」など、
実践的な科目を受講できる大学もあります。自分の興味にそって受講する科目を選ぶのも、「なりたい自分」になる一歩です。
一方、専門学校は看護の基礎・基本をもとに、現場での実践力を養う教育に重点がおかれています。
カリキュラム(教育課程)・取得できる資格
学校によって学べることや取得できる資格はさまざま。
専門学校では、「看護師国家試験受験資格」をとることができます。大学では、看護師・保健師に必要な科目が組み立てられているため、4年間で看護師・保健師の2つの国家試験受験資格が取得できます。さらに、科目やコースの選び方によって「助産師国家試験受験資格」や「養護教諭1種免許状」がとれるところもあります。
学校・実習施設の立地
学校や実習施設までの通学時間も、充実した学生生活をおくるための大切なポイントです。
実習施設は学校によってちがいますが、大体はその学校の近郊にある病院・施設になります。各学校のパンフレットには、実習施設の名前が載っていることが多いので、確認しておきましょう。
卒業生の進路
卒業後の活躍の場や資格が生かせる場所について、卒業生の進路について確かめておきましょう。卒業生の進路は、オープンキャンパスや受験相談会で聞くことができたり、学校案内のパンフレットに載っていたりします。
看護学生Q&A
各学校の入試情報やカリキュラム(教育課程)、就職状況などの詳しい情報は、受験相談会やオープンキャンパスで手に入れることができます。
特にオープンキャンパスは、心臓マッサージや血圧の測り方といった模擬授業を受けたり、看護学生から具体的な学校生活、勉強の内容や方法を直接聞いたりすることもできます。また、授業で使うテキスト・ノートを見ることができる学校もあります。
入学後の学校生活がイメージできて、「絶対に入学する」と決心する人も多いようです。
Q1.どんな勉強をするの?
大学・専門学校ともに、厚生労働省・文部科学省が定めるカリキュラム(教育課程)に基づいて授業が進められます。
ある大学の例ですが、1学年では講義中心の学習、2学年では講義と学内の演習、3学年では病院や保健所での実習が中心となり、これまで学んだ知識・技術を活かします。4学年では、看護師をはじめ、保健師・助産師・養護教諭の資格取得のための総合的な学習を行います。
Q2.勉強は大変?
勉強は、授業を欠席しないことはもちろんですが、復習が何より大切です。
高校との授業のちがいは、先生の板書をそのまま書き写すだけでは足りないところです。「自分で勉強する」ことが大切で、先生が強調したり何度も言ったりしているところを聞き逃さないようにして、自分でノートをとる必要があります。それを何度も読み返して、テキスト・参考書で不足したところを補いながら復習すればバッチリです。
看護の授業では、グループワークが多いのも特徴のひとつです。グループメンバーで協力し合って、ひとつの課題に取り組むことは、チームワークを必要とする医療現場で人間関係を構築する学習でもあります。将来きっと役に立ちます。
Q3.アルバイトはできますか?
できます。
ただし、看護学科はとらなければいけない講義や演習が多いので、勉強に支障をきたさないように注意する必要があります。特に実習を行っている期間は、原則としてアルバイトはせずに勉強に集中したほうがよいでしょう。
Q4.実習ってどんなことをするの?
実習の場所は、病院、訪問看護ステーション、保健所、福祉施設、小・中学校などです。
そこで働いている看護師、助産師、保健師、養護教諭などの指導を受けながら、赤ちゃんからお年寄りまでの方たちに対しての心や身体の援助やケアを行います。
Q5.男子学生ってどのくらいいますか?
その時によって様々ですが、定員の5%~20%(80人定員だったら4人~16人)程度です。男性は看護師、保健師の国家試験受験資格や、養護教諭1種免許状がとれます。
Q6.高校で生物を勉強しておいたほうがよいですか?
高校で履修していなくても、講義にはついていけます。入学後は、特別に「生物」として意識して勉強する必要はなく、各専門科目をきちんと学習すればよいでしょう。
カリキュラムに生物学や、生物学を学べる科目がありますので、そこで勉強することもできます。
Q7.将来海外で働くことはできますか?
もちろんできます。海外で働くことを考えているのであれば、実際の医療・看護の現場で知識と経験を積むことは当然必要ですが、何より健康な身体が資本です。
Q8.奨学金ってもらえるんですか?
奨学金制度については、受験相談会・オープンキャンパスで詳しく聞くことができます。新潟県の大学で申請することができる奨学金は次のとおりです。
1.日本学生支援機構奨学金
条件: 4人世帯の給与所得者の場合で、およその年収が400万円以下程度など
①無利子貸与の第一種奨学金
国公立大学の場合、 自宅生月額45,000円 自宅外生月額51,000円
私立大学 の場合、 自宅生月額54,000円 自宅外生月額64,000円
②有利子貸与の第二種奨学金 第一種との併用も可
2.新潟県奨学金
条件: 成績 -全履修科目の評定平均が5段階評価で3.5以上
所得-保護者の1年間の総収入額が一定の基準以下であること
①無利子 最低年賦額あり
国公立大生 月額41,000円
私立大生 自宅生 月額44,000円 自宅外生 月額51,000円
看護学生が考える看護の魅力
大学では「看護師国家試験受験資格」のほかに、「保健師国家試験受験資格」もとることができます。「助産師国家試験受験資格」をとることができる大学もありますが、ほとんどの大学は助産師コースに人数制限があります。
決められた単位をとると、「養護教諭1種免許状」が得られる大学もあります。このように、4年間でいろいろな資格をとり、卒業後の進路を選ぶ幅を広げていけることが,大学で学ぶ魅力です。
また、大学では看護の専門科目とともに、人間に対する理解・知識を深めることができるように、心理学・社会学・教育学・語学などの幅広い分野も学ぶことができます。社会人やナースとしての視野をさらに広げることができるでしょう。
大学はココが魅力!
新潟県内の大学の看護学部で学んでいる学生の意見を見てみましょう。学生1,023人に対して実施したアンケート調査の結果を、ベスト5!で紹介します。
第1位「いろいろな資格がとれる」
第2位「就職先の選択肢が広がる」
第3位「充実した学習環境がある」
第4位「教養科目が充実している」
第5位「質の高い臨地実習ができる」
現在学んでいる看護の魅力とは?
現在県内の看護学部で学んでいる学生が感じている看護の魅力ベスト5は!
第1位「これからニーズが高まる職業である」
第2位「やりがいのある仕事である」
第3位「自分自身の成長につながる」
第4位「就職に困らない」
第5位「従事することで大きな価値が見出せる」
看護の将来性については、多くの学生が魅力を感じています。その理由は、少子高齢化の進行によって医療に対する期待が高まっていることや、高度医療化によりさらに専門性が求められるからです。今後は、病気の予防という観点からも、看護はさらに必要とされるでしょう。
また、看護という勉強や職業を通じて、自分自身が成長できるということも、多くの学生が感じています。人とのかかわりを通して様々な感動が得られた時は、看護をやっていて本当に良かったと思えます。その体験は、あなた自身が充実した人生を送ることに繋がっていきます。
保護者の考えは?
現在県内の看護学部で学んでいる学生の保護者に聞いてみました。
約8割の保護者が、「子どもを看護の道に進めさせて良かった」と考えています。学生が感じている看護の魅力を、子どもを通して保護者も感じているのではないでしょうか。
看護の仕事Q&A
看護の仕事、よくある質問にお答えします!
Q1.看護師のしごとは?
病気やけがをした方、そしておなかに赤ちゃんがいたりお産をした方のお世話をして、医師の診察の補助を行います。
病気になったり、けがをするとだれでも心配や不安が生まれます。そのような患者さんやご家族の不安を少なくして、心のケアをしていくことも大切な役割です。
活躍の場は、病院や診療所、訪問看護ステーション、海外での看護活動、福祉関連施設などがあり,活躍の場がどんどん広がっています。
Q2.保健師のしごとは?
活躍の場は、保健所・保健センター、市町村役場、企業の健康管理室、病院などです。地域に暮らす方たちが健康に生活できるように、家庭訪問や健康診断を行いアドバイスや指導をしています。
例えば、スムーズな子育てができるように、子どもやお母さんに健康診断やアドバイスをしたり、おなかに赤ちゃんがいる妊婦さんには、無事に赤ちゃんを産めるように指導をしたりするのも、そのしごとのひとつです。このように、保健師のしごとは地域の方たちと深く関わっています。
Q3.助産師のしごとは?
無事に赤ちゃんを産むための介助はもちろん、そこにいたるまでの保健指導やアドバイス、お産の後のお母さんと赤ちゃんのケアや育児について指導をします。またお産についてだけではなく、思春期から更年期、あるいはその先ずっとの「女性の性についての健康問題」への援助もしごとのひとつです。
活躍の場は病院・診療所もありますが、自分で助産院を開くことも可能です。もちろん、海外での看護活動もできます。
Q4.養護教諭のしごとは?
小・中・高等学校の保健室管理と子どもたちの健康管理、そして、悩みをもつ子どもの話を聞いて解決方法を一緒に考えるなど、子どもの心とからだのケアをします。活躍の場は、小・中・高等学校の保健室です。
ナースになるには -看護学生向け-
看護師として働くための就職活動は、他の学部・学科と比べると、今は売り手市場なのでそれほど難しくありません。
しかし、多くの就職先が選べるがゆえの悩みもあります。だからこそ、前もっていろんな病院を知って、“ここで働きたい!”と思える就職先を見つけましょう。
就活ポイント
その1 スケジュール
現在、看護師は求人が多くいわゆる「売り手市場」です。しかし、だからといって「自分が働きたい病院=自分に合っている病院」とは限りません。希望を持って働き始めたのに、
「あれ?なんか思っていた病院と違う・・・。こんなはずじゃなかった」
と、思うこともまれではありません。
だからこそ!早期からの就職活動を始めることが大切です。
いろんな病院を知りましょう。例えば、「近所で評判のよい病院」・「先輩が就職した病院」・「自分が将来生活したいと思っている地域の病院」etc. 多数の病院、施設を知って、「自分に合った病院→働いてみたい病院」を探しましょう。
就活は、いつからでも大丈夫ですが、1年生のうちから「新潟県の医療現場と大学をつなぐデータベース」を見ることをオススメします。
看護系の大学は授業や実習の密度が濃いので「あっ!」という間に4年間が過ぎていきます。あとになって慌てない為にも早期からの情報収集をして、新潟県内にはいろんな病院があることを知ってください。
低学年にも病院見学の機会を提供している病院もあります。どんな病院か実際に見たり聞いたりしたりしながら病院を知ることで自分の目標や進路に与える影響もあるかもしれません。
その2 採用試験の準備
採用試験として多いのは、面接、教養試験、専門試験、適性試験、小論文(作文)などです。公立病院の場合は、公務員試験が必要な場合もあります。
■面接
ほとんどの病院で実施されています。身だしなみや態度はもちろんですが、話し方、聴き方には人柄や教養が現れます。でもだからといって自分を取り繕う必要はありません。ふだんから、「きちんと挨拶をする。」「丁寧な言葉で自分の考えていることを先生や先輩、友だちに伝える。」のも効果アリです。
自分が将来どんな看護職になりたいか、社会の一員としてどのように貢献したいか、などを自分の言葉で語れるようにしておきましょう。
面接でよく聞かれることは・・・「志望理由」・「どんな看護をしたいか」・「自分が看護職を志したきっかけ」・「学生時代に行った活動」・「卒業研究のテーマ」…などがあります。
■教養試験
内容は病院によって異なります。
■専門試験
看護師国家試験に準じて出題されることもあります。
■小論文・作文
身近なテーマで出題されることが多いようです。
その3 私にあった病院の見つけ方
就職活動んポイントで一番大切なこと、それは、「私にあった病院を探す」ことかもしれません。
ふだん、看護学生の皆さんは、自宅の近くの病院や実習病院は知っていても、それ以外の病院を知る機会はほとんどないと思います。
だからと言って、「知っている病院だから就職先にしてもいいのかな」と心配も出てきます。でも、たくさん病院がある中で、どの病院が私に合っているかなんてわからないし・・・。困ってしまいますね。
最後は自分で決めましょう。中には、就職先をどうしようか困った挙げ句、周囲の人に相談して周りに薦められるがままに決めてしまう人もいます。周囲のススメは良いのですが、最後は「自分で決める」事も必要です。
「働くのは私」です。
病院見学や説明会などを通して、自分が「ここで働きたい」「ここならやっていける」と納得して病院を選択しましょう。
病院見学
病院見学・病院説明会に参加しよう!
病院見学会、病院説明会、多くの病院は、新規採用者の採用試験に先立ち、病院見学・病院説明会を開いています。この機会を活用して、見て、聞いて、五感をフルに活用してどんな病院かを知りましょう
事前に予約が必要な場合もありますので、確認してから参加してください
病院見学会の後、先輩たちはこんな感想を言っています。
雰囲気が自分に合っていたように感じた ・ 先輩ナースが生き生きとしていた ・ 病院が明るく清潔だった ・ 患者さんの笑顔が良かった ・ 迎えられている、自分を必要としてくれている感じが伝わった
良い印象を持ち、病院を決めることが多いようです。皆さんが高校生の時にオープンキャンパスへ行き「この大学で勉強したい」と思ったのと似ているかもしれません。
病院見学へ行く前は、自分がチェックしなければならないことをあらかじめ考え臨んでください。
就活Q&A
Q1.いろいろな病院があってどこを選んでよいかわかりません
それぞれの病院には独自の役割や方針があります。それに則って看護部にも理念や方針があります。そういった内容が自分の行いたい看護に近いかどうかを検討してみるのも一つの方法です。
候補となる病院をいくつか挙げて、信頼できる人に相談しても良いのではないでしょうか。
また、自分の生活をどのようにする(したい)かも大切なポイント。自宅から通勤したい人は、通勤手段や時間などを考慮して探すことも必要です。
Q2.私は小児科の病棟で働きたいのですが、希望は通りますか?
最初は内科・外科などの一般病棟などで勤務し、その後希望が通る場合もあります。
看護師のキャリアを発展させる為には、いろんな部署での経験が生きる場合もあります。最初の希望が通らないからといってあきらめるのはもったいないかもしれません。
Q3.採用試験は、いくつくらい受けたら大丈夫でしょうか
看護師の募集状況にもよりますが、多くの学生は2つくらいの病院に絞り、第1志望の病院から受験しているようです。現在看護職は求人数が多いため、多くの学生が希望の病院へ就職できているようです。
Q4.最初は大きな病院で働いた方がいいんですか?
以前は大きな病院の方が教育がしっかりしている、と言われてましたが、現在は病院の規模の大小にかかわらずどの病院も新人教育に力を入れています。したがって自分の学習ペースに合わせた教育が受けられるかどうかがポイントになるでしょう、病床数が多いいわゆる「大病院」は4月に多数の看護師が就職します。そのため、全体を一括して新人教育を行い、その後配属される部署で個別に指導する、というパターンが多いようです。
反対に小規模の施設では、採用人数も少ないことから配属先で個別にゆっくりと指導を受けることができます。これは、あくまでも全体的な傾向です。気になる病院があったらその辺は、病院見学に積極的に参加して自分の目で確認しましょう。実際に働いている新人看護師さんに聞いてみると良いかもしれません。
Q5.自分はゆっくりした性格ですが、急性期の病院で働けるでしょうか?
あなたが急性期の看護がしたくて、それに向かって努力しようという意気込みがあるなら大丈夫です! でも、“単にテレビやドラマを見て憧れた”“なんとなく格好いいから”という理由だけならばちょっと考えてください。
看護師は人の命を預かっています。急性期は「待ったなし」な状況がひっきりなしにやってきます。それに対応しよう!対応するために自分を変えて行こう。先輩たちのアドバイスを素直に聞き入れていこうという気持ちがあればがんばれるのではないでしょうか。
ゆっくりした性格は、落ち着いて行動できるという長所かもしれません。自分の長所も生かして、どんな看護をしたいか考えてみてください。
Q6.親が勧める病院と、自分が行きたい病院が違うので困っています
まず、保護者の方がなぜその病院を薦めるのかをよく聞いてみましょう。そして、自分の就職したい病院との違いをよく話し合ってください。保護者の立場で薦めるにはそれなりの理由があるはずです。でも、「働くのはあなた」ですから、自分で納得できる就職先を選んでください。
話し合っても解決に至らない場合は、大学の先生に相談して適切なアドバイスをもらいましょう。